1.更新手数料の改定は、
外国人雇用の「管理体制」を見直すタイミングになる
2026年10月1日から、在留資格変更許可と在留期間更新許可の手数料が大きく変わります。
これまで窓口申請では原則6,000円、オンライン申請では5,500円だった手数料が、今後は許可される在留期間に応じて変動する仕組みになります。窓口申請では、最長区分で75,000円となります。
この改定は、特定技能外国人を受け入れている企業や、技術・人文知識・国際業務などの就労ビザを持つ外国人社員を雇用している企業にとって、単なる費用増ではありません。
更新期限の見落とし、必要書類の不足、業務内容と在留資格の不一致、届出漏れなど、これまで表面化しにくかった管理上の弱点が、大きな問題につながる可能性があります。
特に、特定技能では在留期間の更新だけでなく、支援計画の実施、定期届出、随時届出、雇用条件の維持、生活支援など、企業側に継続的な対応が求められます。
一方、技術・人文知識・国際業務などの就労ビザでは、在留資格と実際の業務内容が合っているか、転職・異動・職務変更が適切に管理されているかが重要になります。
-
2026年10月1日から、在留資格変更・更新手数料が大幅に変わる
-
窓口申請では、許可される在留期間により最大75,000円となる
-
最新の要件や書類を確認し、不備がないよう準備を進める
-
2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月以降でも旧手数料が適用される
-
特定技能では、更新だけでなく支援実施や定期届出の管理が必要になる
-
就労ビザでは、在留資格と実際の仕事内容が一致しているかが重要になる
-
更新期限の直前に対応する運用では、費用・書類・届出・人員配置のすべてでリスクが高まる
今回の手数料改定を機に企業がすべきことは、更新費用を抑えることだけではありません。
外国人社員の在留資格を、採用後も継続して管理できる仕組みを作ることです。
2.特定技能・就労ビザの更新管理を整えるうえで、
企業が優先して見直すべきポイント
-
Point 01
在留期限だけでなく、
「在留資格と業務内容」をセットで管理する
在留カードの期限を確認するだけでは不十分です。
特に就労ビザでは、採用時に予定していた仕事と、実際に担当している仕事が大きく変わっていないかを定期的に確認する必要があります。
-
Point 02
特定技能は、更新前だけでなく
日常の支援記録が重要になる
特定技能では、雇用条件、支援計画、面談、生活支援、相談対応などの実施状況を日頃から記録しておくことが重要です。
更新時期になってから慌てて資料を集めるのではなく、支援の実態を継続して残す必要があります。
-
Point 03
更新管理は、人事だけに任せず
現場・支援機関・専門家と連携する
人事部門だけでは、実際の仕事内容や日常の勤務状況、本人の困りごとを把握しきれないことがあります。
現場責任者、登録支援機関、行政書士などが必要な情報を共有できる体制を作ることが重要です。
3.更新手数料の改定で何が変わるのか
企業負担は「人数」と「許可期間」で増える
2026年10月1日以降に受け付けられる在留資格変更・在留期間更新許可申請では、手数料が許可される在留期間に応じた段階制になります。
これまでのように、更新する人の在留期間にかかわらず、原則として同じ手数料を納める仕組みではなくなります。
改定後の費用は、次のとおりです。
|
許可される在留期間 |
窓口申請 |
オンライン申請 |
|
3か月以下 |
10,000円 |
10,000円 |
|
3か月超6か月以下 |
18,000円 |
15,000円 |
|
6か月超1年未満 |
25,000円 |
21,000円 |
|
1年 |
33,000円 |
27,000円 |
|
1年超3年未満 |
48,000円 |
42,000円 |
|
3年以上5年未満 |
64,000円 |
56,000円 |
|
5年以上 |
75,000円 |
65,000円 |
企業にとって注意すべき点は、在留資格更新のコストが「1人ずつの手続費」ではなく、人数に応じて積み上がる固定的な雇用コストになりやすいことです。
たとえば、特定技能外国人や就労ビザを持つ外国人社員を10人雇用している場合、更新時期が集中すると、数十万円単位の手数料が一度に発生する可能性があります。
また、更新だけを見ていても不十分です。
外国人社員の採用、転職、部署異動、昇進、職務変更、家族状況の変化などによって、在留資格変更が必要になるケースがあります。更新と変更はどちらも改定の対象となるため、採用計画や人事異動の計画と合わせて管理する必要があります。
特に特定技能では、転職や転籍、受入れ機関の変更などが生じた場合に、在留資格に関する手続だけでなく、支援体制や届出対応も見直す必要があります。
就労ビザでは、職務内容や勤務先が変わった場合、現在の在留資格のままで問題ないかを確認しなければなりません。
さらに、会社が更新手数料を負担する場合は、費用負担のルールも明確にしておく必要があります。
会社負担とするのか、本人負担とするのか。更新費用だけを会社が負担するのか、行政書士への依頼費用も含めるのか。本人都合の転職や家族関係の変更に伴う申請はどう扱うのか。こうした点が曖昧だと、費用改定後は本人とのトラブルにつながりやすくなります。
また、オンライン申請を活用する場合は、窓口申請より低額になる区分があります。
ただし、オンライン申請には決済手数料がかかり、申請・納付・許可通知・在留カード受領までの担当者を明確にする必要があります。費用が安いからという理由だけで切り替えるのではなく、社内で継続して運用できるかを確認することが大切です。
要するに、手数料改定の影響は、単に「更新費が上がる」ということではありません。
誰がいつ更新し、どの費用を誰が負担し、どの手続をどの体制で管理するかを、企業として明確にする必要があるということです。

4.特定技能と就労ビザで、
企業が確認すべきことは違う
特定技能と就労ビザは、どちらも外国人材を雇用するための重要な在留資格ですが、企業が更新時に確認すべきポイントは同じではありません。
同じ「外国人社員の更新」として一律に扱うのではなく、在留資格ごとの管理項目を分けておく必要があります。
特定技能では、企業は単に雇用主というだけではなく、特定技能所属機関としての役割を担います。
雇用契約が適切に維持されているか、報酬が日本人と同等以上になっているか、支援計画を適切に実施しているか、本人の相談に対応しているか、生活支援や日本語学習の機会を確保しているかなど、日常の受入れ体制そのものが重要になります。
また、特定技能では、受入れ・活動・支援実施状況に関する定期届出が必要です。
対象年度の4月1日から翌年3月31日までの状況について、翌年4月1日から5月31日までに届出を行う運用となっています。登録支援機関に支援を委託している場合でも、受入れ企業側が把握し、必要な情報や書類を提供できる体制が必要です。
特定技能で確認したい主な項目は、次のとおりです。
• 在留期限と更新可能時期
• 雇用契約書・労働条件通知書の内容
• 賃金、残業代、社会保険、税金の適正処理
• 支援計画の内容と実施状況
• 定期面談、相談対応、生活支援の記録
• 日本語学習支援やキャリア支援の実施状況
• 住居、生活、転職希望などの本人の状況
• 登録支援機関への委託内容と役割分担
• 定期届出・随時届出が必要となる事実の有無
一方、技術・人文知識・国際業務などの就労ビザでは、特定技能のように支援計画を作ることは通常求められません。
しかし、本人が行っている業務が、その在留資格で認められる活動に合っているかを継続して確認する必要があります。
たとえば、技術・人文知識・国際業務で採用した外国人社員について、通訳、海外営業、IT、設計、品質管理、経理、マーケティングなどの専門的業務を担う予定だったにもかかわらず、実際には単純作業や補助作業が中心になっている場合、更新時に問題になる可能性があります。
また、就労ビザでは、転職や退職、所属機関の変更があった場合、必要な届出があることも重要です。
現場の都合による異動、グループ会社への転籍、職務内容の変更、契約社員から正社員への変更なども、在留資格との関係で確認が必要になる場合があります。
就労ビザで確認したい主な項目は、次のとおりです。
• 在留期限と更新可能時期
• 現在の在留資格
• 学歴・職歴と担当業務の関連性
• 採用時の職務内容と、現在の実務内容の一致
• 雇用契約、給与、勤務時間、所属部署の変更
• 転職、退職、異動、出向、転籍の有無
• 所属機関に関する届出漏れの有無
• 納税、年金、健康保険の加入・納付状況
• 更新に必要な会社資料と本人資料の準備状況
このように、特定技能では「受入れと支援の実態」が重視され、就労ビザでは「資格と業務の適合性」が重視されます。
企業は、在留資格ごとに管理表や確認項目を分けることで、更新時の準備不足を防ぎやすくなります。
5.手数料改定前に企業が行うべき実務対策
手数料改定前に企業が行うべきことは、単に9月中の申請対象者を探すことではありません。
短期的には改定前の申請可能者を確認し、中長期的には更新管理の仕組みを整える必要があります。
まず、外国人社員全員の在留情報を一覧化します。
氏名、国籍、在留資格、在留期限、所属部署、担当業務、雇用形態、更新予定時期、会社負担の有無、担当者、外部委託先などをまとめることで、更新対象者と費用見込みを把握できます。
次に、2026年9月30日までに申請が受け付けられる可能性がある人を確認します。
在留期間更新は、一般的に在留期限のおおむね3か月前から申請できます。そのため、在留期限が2026年10月から12月ごろの社員については、早めに書類の準備状況を確認する価値があります。
ただし、手数料を抑えるために申請を急ぐ場合でも、在留資格と実際の業務内容に問題がないか、必要書類がそろっているかを先に確認しなければなりません。
とくに、転職、異動、職務変更、給与変更、雇用形態変更などがあった社員は、通常の更新よりも慎重な確認が必要です。
企業が優先して行うべき実務対策は、次のとおりです。
• 外国人社員の在留カード情報を一元管理する
• 在留資格、在留期限、職務内容、所属部署を一覧化する
• 今後6か月以内に更新・変更が必要な社員を抽出する
• 2026年9月中に申請可能な対象者を確認する
• 特定技能と就労ビザで確認項目を分ける
• 特定技能の支援実施記録、面談記録、相談記録を整理する
• 定期届出・随時届出の提出状況を確認する
• 就労ビザの社員について、担当業務と在留資格の適合性を確認する
• 転職、異動、昇進、職務変更が在留資格に与える影響を確認する
• 更新費用・行政書士費用・翻訳費用などを予算化する
• 手数料を会社と本人のどちらが負担するかを明確にする
• オンライン申請の利用可否と、決済・通知確認の担当を決める
• 外国人社員本人に、更新時期と費用負担を分かる言葉で説明する
• 人事、現場責任者、登録支援機関、行政書士の連絡窓口を決める
また、更新管理は年に1回だけ点検するのではなく、月次で確認する方が安定します。
たとえば、毎月の人事会議や労務会議で、今後6か月の在留期限を確認する運用にすれば、更新漏れを防ぎやすくなります。特定技能については、定期届出の期限も同時に管理することで、届出遅れのリスクも下げられます。
重要なのは、在留資格を人事部門だけの専門業務にしないことです。
現場責任者が仕事内容を把握し、人事が在留期限と雇用条件を管理し、登録支援機関が支援状況を共有し、必要に応じて行政書士が制度面を確認する。こうした役割分担ができている企業ほど、更新の負担とリスクを抑えやすくなります。
要するに、手数料改定前に企業がすべきことは、
対象者を急いで申請することだけでなく、外国人雇用を継続管理できる仕組みを社内に作ることです。
6.まとめ:特定技能・就労ビザの更新管理は、
人材定着とコンプライアンスの基盤になる
2026年10月1日から、在留資格変更・在留期間更新の手数料は、許可される在留期間に応じた段階制になります。
窓口申請では最大75,000円となるため、特定技能外国人や就労ビザを持つ外国人社員を複数雇用している企業では、更新コストと管理負担がこれまで以上に大きくなります。
今回の改定で重要なのは、
・在留期限だけでなく、在留資格と実際の業務内容をセットで管理すること
・特定技能では、支援計画、面談、相談、支援実施、定期届出を日常的に管理すること
・就労ビザでは、転職、異動、職務変更が在留資格と合っているかを確認すること
・2026年9月30日までに申請可能な対象者を早めに確認すること
・更新費用、担当者、書類、申請方法を一元管理すること
の5つです。
これからの外国人雇用では、採用時の手続だけを整えても十分ではありません。
採用後も、在留資格・仕事内容・生活支援・費用・届出を継続的に管理できる企業ほど、更新トラブルを防ぎ、外国人社員に長く働いてもらいやすくなります。
更新手続きの際には、個々のケースによって必要な対応や準備が異なるため、個別相談が重要です。不安や疑問をお持ちの企業様にとって、専門家との対話を通じて解決策を見出すことが、スムーズなビザ更新に繋がります。
また、企業様が求める迅速な作業進行を実現するためには、初期相談での貴重な情報共有が欠かせません。企業の特性や更新対象者の職務内容に基づいた具体的なプランを立てるために、専門家は丁寧にヒアリングを行い、その上で最適な解決策を提供します。その結果、手続きの進捗をスムーズに進めることができるため、企業様の時間的な負担を軽減することができるのです。
初回相談を通じて、必要書類や手続きの流れ、注意点などをしっかり把握されることが重要です。ぜひ、当事務所の専門スタッフと一緒に、安心して特定技能や就労ビザの更新手続きを進めていただければ幸いです。
Contact お問い合わせ
Instagram
インスタグラム
Related
関連記事
-
2026.09.20特定技能支援は任せるだけでは不十分!企業の責任を再認識しよう。 -
2025.11.25特定技能制度の申請手続き | 外国人採用の行政書士なら行政書士MP法務事務所 -
2026.06.25育成就労から特定技能へ 外国人材を「採用して終わり」にしないステップ設計とは -
2026.07.02育成就労から特定技能へのステップ設計を、企業側の視点で整理する 「3年+5年」を人材戦略として描くためのロードマップ -
2026.04.17特定技能 完全ガイド 採用で終わらせない実務設計と 登録支援機関の選び方まで 行政書士が徹底解説 -
2026.04.16特定技能 完全ガイド 制度の仕組み・採用方法・登録支援機関・注意点まで行政書士が徹底解説 -
2026.08.04育成就労×特定技能の二段階キャリア設計 外国人本人のキャリアパスと、企業側の人材戦略を専門家目線で整理 -
2026.04.03特定技能の受入れフロー| 外国人採用の行政書士なら行政書士MP法務事務所 -
2026.08.10特定技能の更新・転職・転籍をどう管理するか 育成就労新設で変わる人材の流れと、企業側リスク管理 -
2026.02.17学歴が足りない?就労ビザ取得の可能性を探る! -
2026.06.18東京で外国人エンジニア・建設技術者を採用したい企業様へ就労ビザ・在留資格に強い行政書士MP法務事務所(全国対応) -
2025.12.11就労ビザの取得、スムーズにサポートします! -
2026.09.20特定技能外国人が退職・転職したとき 受入企業が行うべき手続と、放置してはいけないポイント -
2026.01.29特定技能(1号・2号)とは? 産業分野・試験・支援計画まで完全解説【行政書士解説】 -
2026.01.06特定技能(外食)で外国人材を活用しませんか?| 外国人採用の行政書士なら行政書士MP法務事務所 -
2025.12.12就労ビザの取得、転職をサポートする専門家| 外国人採用の行政書士なら行政書士MP法務事務所 -
2025.11.25就労ビザの申請代行 | 外国人採用の行政書士なら行政書士MP法務事務所 -
2026.09.12在留資格更新・永住申請の費用改定に関する相談窓口 2026年10月の手数料改定前に、何を・どこへ相談すべきか。 -
2026.09.042026年10月開始|在留資格更新・変更手数料の大幅改定 更新・変更・永住申請で何が変わり、いつまでに何を確認すべきか。 -
2026.09.12在留資格の更新期限が近い方へ 10月の手数料改定前に確認したいこと。 -
2026.02.17特定技能1号・2号の違いを知ってスムーズな外国人採用を実現| 外国人採用の行政書士なら行政書士MP法務事務所 -
2026.08.102027年以降の外国人採用ルート全体像 育成就労・特定技能・技人国・高度専門職・留学からの変更ルートを俯瞰 -
2026.02.05留学から就労ビザへの変更 進路変更の不許可理由・アルバイト歴・学校の違いまで【行政書士解説】 -
2026.09.122026年10月から在留資格変更・更新の手数料が最大75,000円に!あなたのビザがネットで簡単手続きに変わるチャンス。 -
2026.03.18在留資格変更手続きは専門家にお任せ! -
2026.09.09外国人雇用企業向け|在留資格更新コストの増額と対策 2026年10月の手数料改定で、企業が今から整えるべきこと -
2026.09.04ビザ更新は9月中の申請がお得? 在留手数料改定の影響と、急ぐべき人・急がなくてよい人。