1.特定技能外国人の退職・転職は、
通常の退職手続だけでは終わらない
特定技能外国人から退職や転職の相談を受けた場合、企業は通常の退職手続だけでなく、在留資格・雇用契約・入管への届出を含めて対応する必要があります。
自己都合退職か会社都合か、転職先が決まっているかによって、必要な手続や本人への案内も変わります。
特に転職では、受入企業が変わる場合、原則として在留資格変更の手続が必要になります。
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特定技能外国人の退職は、通常の退職手続だけで終わらない
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雇用契約が終了した場合、受入企業には入管への届出が必要になる
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解雇や事業縮小などでは、受入れ困難に関する届出が必要になる場合がある
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自己都合退職でも、雇用契約終了に関する届出は必要となる
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転職で受入企業や分野が変わる場合、原則として在留資格変更許可申請が必要となる
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新しい受入企業で働けるのは、必要な在留資格手続が完了してからとなる
特定技能外国人の退職・転職対応で重要なのは、
「辞めることを止める」ことではなく、雇用終了・届出・本人支援・次の手続を正しい順番で進めることです。
2.特定技能外国人の退職・転職が発生したとき、
企業が特に確認すべきポイント
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Point 01
最初に退職理由を確認し、記録に残す
本人の自己都合退職、契約期間満了、解雇、雇止め、事業縮小、行方不明など、退職に至る事情によって企業の対応は変わります。
口頭のやり取りだけで済ませず、本人の退職意思、相談内容、会社側の説明、退職予定日を記録しておくことが重要です。
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Point 02
届出には「14日以内」の期限がある
受入れが困難になった場合や、特定技能雇用契約が終了した場合には、事由が生じた日から14日以内に届出が必要になります。
退職日が決まってから対応を考えるのではなく、解雇・事業縮小・雇止めなどで受入れが難しくなった段階から、必要な届出を確認する必要があります。
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Point 03
転職先が決まっても、
すぐには新しい会社で働けない
特定技能外国人が別の受入企業へ移る場合、原則として在留資格変更許可申請が必要です。
新しい会社で働けるのは、必要な在留資格手続が整ってからです。退職日と新しい勤務先での就労開始日を同じ感覚で考えないことが重要です。
3.退職が決まったときに企業が行うべきこと
最初に整理するのは「退職理由」
特定技能外国人から退職したいという申出があったとき、企業が最初に確認すべきなのは、退職理由です。
なぜ辞めたいのか、本人の意思によるものなのか、それとも会社側の事情によるものなのかによって、必要な対応や届出の考え方が変わります。
たとえば、本人が「仕事が合わない」「別の地域で働きたい」「家族の事情で辞めたい」と申し出る自己都合退職の場合、企業は本人の退職意思と退職希望日を確認し、通常の退職手続を進めます。
ただし、自己都合退職であっても、特定技能雇用契約が終了した場合には、企業側で雇用契約終了に関する届出が必要になります。「本人の希望で辞めたから会社は何もしなくてよい」ということではありません。
一方で、会社の経営悪化、受注減少、事業所の閉鎖、配置できる仕事の減少、解雇、雇止めなど、企業側の事情で受入れを継続できなくなる場合は、より早い段階から対応が必要になります。
このような場合は、実際に退職日を迎える前でも、企業が特定技能外国人を受け入れ続けることが困難になった時点で、受入れ困難に関する届出を検討しなければなりません。
その後、実際に雇用契約が終了した場合には、雇用契約終了に関する届出も必要になります。
受入れ困難になったことと、雇用契約が終了したことは同じではありません。それぞれ別のタイミングで確認すべき事項があるため、退職に至る経過を整理しておくことが重要です。
また、本人と連絡が取れなくなり、出勤しない状態が続く場合も注意が必要です。
行方不明の可能性がある場合は、最後に出勤した日、連絡を試みた日、連絡手段、住居や緊急連絡先への確認状況などを記録します。「無断欠勤だから放置する」のではなく、本人の状況を確認し、必要な届出や支援対応を進める必要があります。
退職理由ごとの初動を整理すると、次のようになります。
|
退職・離職の事情 |
企業がまず確認すること |
注意したいこと |
|
自己都合退職 |
本人の退職意思、理由、希望退職日 |
雇用契約終了後の届出が必要 |
|
契約期間満了 |
更新しない理由、本人の意思、退職後の予定 |
契約満了でも必要な届出を確認する |
|
解雇・雇止め |
雇用継続が困難になった理由と時期 |
受入れ困難に関する届出を早めに確認する |
|
事業縮小・閉鎖 |
雇用維持の可否、配置転換の可能性 |
本人への転職支援や生活面の案内が重要 |
|
行方不明・無断欠勤 |
最終出勤日、連絡履歴、確認経過 |
状況を記録し、放置せずに対応する |
|
転職希望 |
本人の退職希望日と次の勤務先の状況 |
転職先での就労開始時期に注意する |
退職時には、届出だけでなく、労務面・生活面の説明も必要です。
最終給与、未払い賃金や残業代、社会保険、住居、寮の退去、貸与物の返却、在留カードやパスポートの本人管理などについて、本人が理解できる言葉で説明することが大切です。
特に、パスポートや在留カードは本人の重要な身分証明書です。
退職や転職を理由に会社が預かったままにしたり、返却を遅らせたりしてはいけません。トラブルを防ぐためにも、本人へ必要書類と手続の流れを分かりやすく伝えることが重要です。
要するに、退職が決まったときは、
「誰が辞めるのか」ではなく、「なぜ辞めるのか」「いつ何が終了するのか」「会社として何を届け出るのか」
を整理することから始める必要があります。

4.転職を希望されたときの注意点
新しい会社で働く前に必要な手続
特定技能外国人が別の会社へ転職すること自体は、制度上認められています。
しかし、本人が次の会社を見つけたとしても、すぐに新しい勤務先で働けるわけではありません。特定技能は、働く受入企業や従事する分野と在留資格が結びついているため、転職時には在留資格に関する手続が必要になります。
特定技能外国人が転職により受入企業を変える場合、原則として在留資格変更許可申請が必要です。
また、現在とは異なる特定産業分野へ移る場合にも、同様に在留資格変更許可申請が必要になります。たとえば、外食業から介護分野へ移る、製造業から宿泊分野へ移るといった場合は、新しい分野で働くための条件も含めて確認しなければなりません。
同じ分野内で別の企業へ移る場合でも、受入企業が変わる以上、必要な手続を確認する必要があります。
「同じ仕事だから問題ない」「本人は特定技能の在留資格を持っているから、どこでも働ける」と考えるのは危険です。特定技能は、一般的な就労ビザ以上に、受入企業・雇用契約・支援体制との関係が重要になります。
また、在留資格変更許可の申請中は、原則として変更予定の新しい勤務先で就労することはできません。
新しい会社側が人手不足で早く働いてほしいと考えていても、必要な許可が出る前に就労を始めることはできません。この点は、本人だけでなく、新しい受入企業にも十分に説明しておく必要があります。
転職時の基本的な流れは、次のように考えると分かりやすくなります。
1. 本人から退職・転職の希望を聞き、退職日と理由を確認する
2. 現在の受入企業で、必要な届出と退職手続を進める
3. 新しい企業が特定技能の受入要件を満たしているか確認する
4. 新しい雇用契約、労働条件、支援計画、職務内容を確認する
5. 本人が新しい分野・業務に必要な要件を満たすか確認する
6. 在留資格変更許可申請を行う
7. 許可後に新しい受入企業での就労を開始する
ここで企業側が注意したいのは、本人の転職意思を不当に妨げないことです。
退職を引き止めること自体は問題ではありませんが、パスポートや在留カードを渡さない、違約金を一方的に請求する、本人の転職先探しを妨害する、必要な書類を理由なく出さないといった対応は、重大なトラブルにつながるおそれがあります。
一方で、現在の受入企業には、退職日、最終給与、社会保険、寮の退去、貸与物の返却、雇用契約終了の届出などを適切に進める責任があります。
本人の転職希望を尊重しながら、会社として必要な手続と引継ぎを整理することが大切です。
また、退職後に次の勤務先がすぐ決まらない場合もあります。
在留期間が残っているからといって、何もせず長期間、日本に滞在できるとは限りません。就職活動が長引く場合や、特定技能としての活動ができない期間が生じる場合には、本人も在留資格に関する確認が必要になります。
要するに、特定技能外国人の転職では、
退職できることと、新しい会社で働けることは別の手続です。
企業がこの違いを理解し、本人と新しい受入企業に正確な情報を伝えることが、トラブル防止につながります。
5.退職・転職トラブルを防ぐために、
企業が平時から整えるべきこと
特定技能外国人の退職や転職は、ある日突然起きるように見えても、その前に本人が何らかの不安や不満を抱えていることが少なくありません。
給与や控除への疑問、仕事内容の違い、人間関係、言葉の壁、住居の問題、将来への不安などが積み重なり、相談できないまま退職や転職につながることがあります。
だからこそ、企業は退職の申出があった後だけでなく、日頃から本人が相談しやすい環境を作る必要があります。
特定技能では、生活支援、相談対応、定期面談などが重要になります。これらを形式的な確認で終わらせず、本人の困りごとを早く把握する機会として活用することが大切です。
また、退職・転職時の対応は、担当者個人の経験だけに任せない方がよいでしょう。
急な退職が起きたときに、人事、現場責任者、登録支援機関、行政書士の誰が何を行うのかが決まっていなければ、届出期限を過ぎたり、本人への説明が不足したりするおそれがあります。
企業が平時から整えておきたい仕組みは、次のとおりです。
- 本人が退職・転職を相談できる窓口を決める
- 面談の実施時期と記録方法を統一する
- 退職理由を確認するための面談シートを作る
- 自己都合・会社都合・行方不明などの対応区分を整理する
- 受入れ困難届出と雇用契約終了届出の要否を確認する担当者を決める
- 14日以内の届出期限を管理する仕組みを作る
- 登録支援機関と会社の役割分担を明確にする
- 行政書士へ相談する条件と連絡手順を決める
- 住居、最終給与、社会保険、貸与物、退去手続の確認表を用意する
- 本人向けにやさしい日本語や母語を活用した説明資料を用意する
- 退職理由を集計し、職場改善や定着支援につなげる
特に、登録支援機関へ支援を委託している企業は、「委託しているから会社は何もしなくてよい」と考えないことが重要です。
登録支援機関は支援実施を担う重要なパートナーですが、雇用契約の終了、企業側の事情、届出に必要な情報、本人の勤務状況などは、受入企業が正確に把握しておく必要があります。
また、本人が退職した後に同じ会社へ戻りたいと希望するケースもあり得ます。
しかし、一度雇用契約が終了した後に再び雇用する場合には、在留資格、雇用契約、届出などを改めて確認しなければなりません。「以前働いていたからすぐ戻れる」と安易に判断せず、状況に応じた手続を確認する必要があります。
退職・転職の対応を丁寧に行う企業は、結果として定着率も高まりやすくなります。
本人が「困ったときに相談できる」「辞める場合でも不利益を受けず、手続を説明してもらえる」と感じられる職場では、不満が深刻化する前に相談が出やすくなるからです。
要するに、退職・転職対策とは、
辞めさせないために管理を強めることではなく、本人の相談を早く受け止め、適正に手続と支援を進められる職場を作ることです。
6.まとめ:退職・転職時に重要なのは、
「14日以内の届出」と「次の就労までの手続」
特定技能外国人が退職・転職する場合、受入企業は通常の退職手続に加え、在留資格制度に基づく届出と本人への案内を進める必要があります。
自己都合退職であっても、雇用契約が終了した場合には届出が必要になります。また、解雇や事業縮小などで受入れ継続が難しくなる場合には、早い段階から受入れ困難に関する対応を確認することが重要です。
本人が別の会社へ転職する場合、受入企業や特定産業分野が変われば、原則として在留資格変更許可申請が必要になります。
新しい勤務先で働けるのは、必要な許可が出た後です。退職日と新しい会社での就労開始日を、同じように考えないことが大切です。
今回のポイントは、
・退職理由を自己都合、会社都合、契約満了、行方不明などに分けて整理すること
・雇用契約が終了した場合、必要な届出を14日以内に行うこと
・受入れ継続が困難な場合は、退職前の段階から対応を確認すること
・転職では、原則として在留資格変更許可申請が必要になること
・変更許可が出る前に、新しい勤務先で就労を始めないこと
・平時から相談窓口、支援記録、届出フロー、社内連携を整えること
の6つです。
特定技能外国人の退職・転職が起きたときに重要なのは、
雇用契約の終了、入管への届出、本人への説明、転職先での在留資格手続を、一つずつ確実に進めることです。
対応手順をあらかじめ整えておけば、突然の退職や転職希望が出た場合でも、企業・本人・次の受入企業が不利益を受けない形で進めやすくなります。
特定技能外国人が退職または転職を希望する場合、企業側にはそのプロセスにおける法的な手続きや留意すべき点が多く存在します。特に、特定技能外国人の労働条件や在留資格が変更される際には、適切な手続きを行わないと、法的なリスクや不利益を被る可能性があります。ここでは、企業が特定技能外国人の退職・転職時にどのようにサポートできるか詳しく解説します。
まず、退職や転職の申し出を受理した後は、その後のプロセスの把握が必要です。退職に伴い、在留資格が「特定技能」に基づいている外国人の方が日本に在留している場合、それに関する書類の整理が必須です。在留資格の変更や、転職が行われる場合には、必要な申請を速やかに行うことで、スムーズな手続きが促進されます。また、企業側で在留資格に関する専門的な知識を持つことが求められ、必要なコンサルティングを受けることも選択肢となります。
企業が行うべき手続きとしては、特定技能外国人が新しい職場での就労が可能となるよう、在留資格変更の申請を行う必要があります。そのためには、新たな雇用契約や業務内容の変更契約書を整え、実績として求められる書類を準備することが求められます。また、退職者に対しては、在留資格の変更や新たな雇用先の証明を提供する必要もあります。このように、特定技能外国人の退職・転職にあたっては、当事者間での情報共有が重要であり、円滑なコミュニケーションが機関の運営の観点からも望まれます。また、退職を行った場合には、職務経歴を証明する必要があり、企業の義務として誠実に取り組むことが求められます。
慎重に手続きを行うことで、企業の信頼性を保ち、特定技能外国人にとっても安心して働ける環境が形成されます。万が一、何か不明点や不安点が生じた場合には、弊社の専門スタッフが丁寧に対応させていただきますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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