お気軽にお問い合わせください。
営業時間: 9:00~17:00


1.外国人雇用は、「採用できるか」から

       「適正に雇用・育成できるか」へ変わる

2026年から2027年にかけて、外国人雇用を取り巻くルールは段階的に変わります。
外国人雇用管理指針の改正に加え、在留手続手数料の改定、育成就労制度の開始など、企業には採用後の雇用管理・教育・定着まで見据えた対応が求められます。
制度改正を単なる手続変更として捉えるのではなく、自社の受入れ体制を見直す機会にすることが重要です。

  • check_box

    外国人雇用管理指針は、2026年6月・10月、2027年4月に段階的に適用される

  • check_box

    外国人社員にも、労働条件・待遇に関する適切な説明がこれまで以上に重要になる

  • check_box

    日本語学習の機会や、日本語能力に配慮した教育訓練が求められる

  • check_box

    在留資格、在留期限、仕事内容、雇用条件を継続して確認する必要がある

  • check_box

    2026年10月から、在留資格変更・更新手数料が大幅に変わる

  • check_box

    2027年4月からの育成就労制度を見据え、育成・定着の仕組みを整える必要がある

2026〜2027年の制度対応で企業に必要なのは、
法律や制度を知ることだけではなく、外国人社員が理解し、成長し、安心して働き続けられる雇用管理の仕組みを作ることです 。

2. 2026〜2027年の改正ポイント

2.外国人雇用管理指針の改正と制度変更に対応するために、
  企業が優先して見直すべきポイント

  • Point 01

    労働条件・待遇を「説明できる状態」にする



    給与、賞与、昇給、控除、残業、休日、契約期間、正社員・契約社員・パートの違いなどについて、外国人社員が理解できるように説明する必要があります。
    日本人社員との待遇差がある場合には、その内容や理由を説明できるよう、雇用条件と社内制度を整理しておくことが重要です。


  • Point 02

    日本語教育と職場教育を、本人任せにしない



    外国人社員が安全に働き、仕事を覚え、職場に定着するためには、日本語力が重要です。
    企業には、日本語学習の機会を提供し、日本語能力に配慮した教育訓練を行うことが求められます。現場教育を「見て覚える」だけにせず、やさしい日本語、写真、図、実演などを活用する必要があります。


  • Point 03

    2027年4月の育成就労開始を見据えて、

    受入れ体制を整える


    育成就労制度では、3年間を通じた技能・日本語の育成と、特定技能への移行が意識されます。
    これまでのように、採用後の教育を現場任せにするのではなく、教育担当者、面談、相談、評価、記録、キャリア支援を組織として整える必要があります。


3.2026〜2027年に何が変わるのか

 段階的な制度対応を整理する

今回の外国人雇用管理指針の改正は、外国人を雇用する企業に対し、従来以上に適正な雇用管理、待遇説明、教育訓練、定着支援を求める流れの中にあります。


採用時の在留資格確認だけでなく、雇用中の労務管理、教育、生活支援、離職時の対応まで含め、企業が外国人社員をどのように受け入れるかが問われるようになります。


制度対応は、大きく三つの時期に分けて考えると整理しやすくなります。


時期

主な変化

企業が確認すべきこと

2026年6月以降

外国人雇用管理指針の改正が段階的に適用

労働条件、待遇説明、日本語教育、教育訓練、雇用管理体制

2026年10月以降

在留資格変更・更新手数料の改定

更新対象者、費用負担、申請時期、オンライン申請、在留期限管理

2027年4月以降

育成就労制度の開始

対象分野、育成就労計画、日本語教育、現場教育、特定技能への移行


まず、2026年の改正では、外国人社員が能力を発揮できるようにするため、日本語学習の機会の提供や、日本語能力に配慮した教育訓練の実施が重要になります。


これは、単に日本語学校を案内すればよいという意味ではありません。企業が行う安全教育、作業指導、就業ルールの説明、評価面談などを、本人が理解できる方法で実施することが求められます。


また、待遇に関する説明も重要です。
正社員、契約社員、パートタイム、有期雇用などの雇用形態によって、賞与、手当、休暇、福利厚生、昇給、退職金などに違いがある場合、企業はその違いを説明できる状態にしておく必要があります。


外国人社員は、日本の雇用慣行や給与制度に慣れていないことがあります。


基本給と手取り額の違い、社会保険料や税金の控除、残業代の計算、賞与の考え方、昇給の条件などが分からないまま働いていると、不信感や早期離職につながることがあります。


2026年10月からは、在留資格変更・在留期間更新の手数料が大きく変わります。


企業が更新費用を負担している場合は、これまで数千円程度だった費用が、許可される在留期間に応じて数万円単位になる可能性があります。外国人社員が複数いる企業では、更新時期を一覧化し、費用を予算化する必要があります。


そして、2027年4月からは、技能実習制度に代わる育成就労制度が始まります。


育成就労は、人手不足分野で外国人材を受け入れ、3年間で技能と日本語能力を育成し、特定技能への移行を目指す制度です。企業には、受入れ時だけでなく、3年間の教育計画、評価、面談、日本語学習、定着支援を含む仕組みづくりが求められます。


このように見ると、2026〜2027年の制度変更は、別々の改正のように見えて、実際には一つの方向を示しています。


それは、
外国人を採用する企業が、採用時だけでなく、雇用中の説明・教育・管理・定着まで責任を持つことです。



背景画像
4. 企業が取り組むべきポイント

4.企業が見直すべき雇用管理

   説明・教育・相談・記録を整える


制度改正への対応として、企業が最初に見直すべきなのは、自社の雇用管理が外国人社員にとって理解できる状態になっているかどうかです。


日本人社員向けに作られた就業規則や雇用契約書、給与明細、研修資料を、そのまま渡して終わりにしていないかを確認する必要があります。


まず、労働条件の説明を見直します。


雇用契約書を交付することはもちろん必要ですが、外国人社員が内容を理解できていなければ、実務上のトラブルを防ぐことはできません。給与、控除、残業、休日、契約期間、試用期間、勤務地、職務内容、昇給、賞与、退職などについて、やさしい日本語や本人が理解できる言語で説明する必要があります。


特に、給与と控除は不満や誤解が生じやすい部分です。


「月給〇万円」と聞いていても、実際には税金、社会保険料、住居費、光熱費、食費などが控除され、手取り額が想定より少なく感じられることがあります。控除自体が適正であっても、事前に説明されていなければ、本人は不信感を持ちます。


次に、教育訓練を見直します。


安全教育、品質教育、機械操作、作業手順、衛生管理、報告方法などについて、日本人向けの説明をそのまま使っていないかを確認します。短い文で話す、写真や図を使う、実演する、復唱してもらう、チェックリストを使うといった工夫が必要です。


また、相談体制も重要です。


本人が困ったとき、現場責任者にしか相談できない状態では、上司との関係や仕事の問題を相談しにくくなります。人事・総務、登録支援機関、外部相談窓口など、複数の相談先を設け、本人が理解できる言語で相談できる環境を整える必要があります。

さらに、定期面談を通じて、問題を早期に把握することが大切です。


面談では、仕事の理解度だけでなく、給与、住居、健康、人間関係、日本語、家族、将来の希望、転職意向などを確認します。


形式的に「困っていることはありますか」と聞くだけではなく、具体的な質問を用意する方が本人も答えやすくなります。


企業が見直したい項目は、次のとおりです。

分野

確認・整備する内容

労働条件

給与、控除、残業、休日、契約期間、勤務地、職務内容の説明

待遇

日本人との待遇差、昇給、賞与、手当、福利厚生、評価基準の整理

就業規則

やさしい日本語・多言語での周知、重要部分の説明

安全教育

写真、図、動画、実演、標識を用いた理解確認

現場教育

作業手順、品質基準、報告方法、教育担当者の明確化

日本語支援

学習機会、教材、受験情報、学習時間への配慮

相談体制

現場以外の相談先、通訳、多言語対応、苦情対応

定期面談

仕事、生活、健康、人間関係、将来希望の確認

記録管理

雇用条件説明、教育、面談、相談、支援の記録

在留資格管理

在留期限、在留資格、業務内容、更新・届出の管理


ここで大切なのは、すべての資料を完璧に翻訳することではありません。


まずは、雇用契約、給与・控除、安全、欠勤連絡、相談先、生活ルールなど、誤解が大きなトラブルにつながる項目から、本人に伝わる形へ変えていくことが現実的です。


要するに、雇用管理指針への対応とは、
書類を増やすことではなく、外国人社員が自分の仕事・待遇・ルールを理解し、困ったときに相談できる職場を作ることです。


5.2027年4月に向けて準備すること


 育成就労を見据えた組織づくり


2027年4月から始まる育成就労制度は、技能実習制度の単なる名称変更ではありません。


人手不足分野において、外国人材を受け入れ、3年間で技能と日本語能力を育て、特定技能へつなげることを前提とした制度です。


この制度に対応するためには、企業は現場教育を見直す必要があります。


これまで「現場で見て覚えてもらう」「分からなければ先輩に聞く」といった方法で対応していた企業も、今後は、誰が、何を、どの順番で教えるのかを整理する必要があります。


特に、安全、品質、作業手順、報告・連絡・相談、日本語、生活ルールなどを、本人の理解度に合わせて教える仕組みが重要です。


指導担当者ごとに教える内容や基準が違う状態では、本人の成長を評価しにくく、企業としても育成の実態を説明しにくくなります。


また、育成就労では日本語能力の向上も重要になります。


就労開始前にはA1相当を目安とした日本語能力が求められ、3年間の終了時にはA2相当を目標とする日本語学習の機会を設けることが必要になります。


企業に必要なのは、外部の日本語学校を紹介することだけではありません。


現場で使う言葉、安全指示、品質の言葉、報告の表現、給与明細や休暇申請の言葉などを、日々の仕事の中で学べるようにすることが重要です。


さらに、育成就労から特定技能へ移行した後のキャリアも考える必要があります。


3年後に試験へ合格した本人へ、どのような役割を任せるのか。給与や評価はどう変えるのか。技能や日本語力をどのように活かすのか。本人が長く働きたいと思えるキャリアを示せなければ、特定技能へ移行しても定着につながりにくくなります。


2027年4月までに企業が準備したいことは、次のとおりです。
• 自社が育成就労の対象分野・業務区分に該当するか確認する
• 現場の教育内容を作業ごと・段階ごとに整理する
• 指導担当者、教育責任者、相談窓口を決める
• 安全教育・作業手順を、写真や図を使って分かりやすくする
• 日本語学習の機会と、現場で使う日本語の教育を整える
• 定期面談、教育記録、評価シートを作る
• 生活支援、住居、行政手続、相談体制を確認する
• 特定技能への移行に必要な試験・日本語学習の計画を作る
• 特定技能移行後の役割、評価、待遇、キャリアを考える
• 人事、現場、登録支援機関、行政書士などの連携体制を作る


また、育成就労の開始により、外国人社員の定着はこれまで以上に重要になります。


本人の意思による転籍が一定の条件のもとで可能になることを踏まえると、企業は制度で人材をつなぎ止めるのではなく、職場環境、教育、待遇、相談体制によって選ばれる必要があります。


要するに、2027年4月に向けた準備とは、
外国人材を受け入れる制度を変えることではなく、外国人材が育ち、定着し、将来の役割を持てる職場へ変えることです。


5. 成功事例の紹介

6.まとめ:制度改正への対応は、

     「外国人雇用の質」を高める機会になる

2026〜2027年の外国人雇用に関する制度変更は、企業にとって対応すべきことが増えるように見えるかもしれません。


しかし本質は、外国人社員を一時的な人手として扱うのではなく、適正な労働条件のもとで採用し、教育し、定着させ、成長を支える雇用管理へ変えていくことにあります。


企業が今、見直すべきことは、
・給与、控除、残業、休日、待遇差などを本人へ分かる形で説明できること
・日本語能力に配慮した安全教育・現場教育を行うこと
・日本語学習の機会と、キャリア形成の支援を整えること
・在留資格、在留期限、仕事内容、更新・届出を継続管理すること
・定期面談と相談体制で、生活・仕事・人間関係の課題を早く把握すること
・2027年4月の育成就労制度を見据え、教育・評価・定着の仕組みを作ること
の6つです。


外国人雇用管理指針の改正と育成就労制度の開始は、単なる法改正対応ではありません


外国人社員が「働きやすい」「成長できる」「長く働きたい」と感じる企業へ変わるための機会です。


制度変更をきっかけに、自社の採用、教育、労務、相談、評価、キャリア支援を見直すことが、これからの安定した外国人雇用につながります。


7. お問い合わせ・ご相談
  • 7. お問い合わせ・ご相談
  • 7. お問い合わせ・ご相談
外国人雇用に関する法律や制度が日々変化する中、企業はこの変化を適切に捉え、柔軟に対応していく必要があります。特に2026年から2027年にかけて実施される外国人雇用管理指針の改正は、企業の雇用形態や人事戦略に大きな影響を与えることが予想されています。従って、自社の採用活動や企業文化を見直す時期が迫っていると言えます。まず、企業は現行の外国人雇用に関する制度を再確認し、改正の具体的な内容を把握することが重要です。その上で、新たに求められる基準や要件に適応するための準備を行い、必要な対策を講じるべきです。また、従業員や関連部門への情報共有を通じて、全体としての理解を深めることも忘れてはなりません。特に人事・総務の部門は、法律の改正に対する教育や研修の実施を計画し、全社的な対応を強化することが求められます。こうした取り組みを進めることで、企業は外国人雇用をより円滑に進められるようになるでしょう。最終的には、外国人を雇用することが企業の成長に寄与し、その文化的多様性が新たな価値を創出する事例が増えていくことを期待します。

Contact お問い合わせ

このサイトはreCAPTCHAとGoogleによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約が適用されます。

Instagram

インスタグラム

    Related

    関連記事